賛同人・新崎盛暉さんを追悼します
沖縄の視点から当プロジェクトを見守り続ける
沖縄近現代史研究の第一人者で、10・8山﨑博昭プロジェクトの賛同人である新崎盛暉(沖縄大学元学長)さんが、本年3月31日に82歳で逝去されました。新崎さんは、私たちのプロジェクトが発足間もない、最も早い時期に賛同人になってくださった方でした。以来、沖縄の地からずっと私たちの活動を温かく見守り続けてくださいました。
初期の賛同人募集の働きかけを始めてすぐの頃、新崎さんはいち早く賛同の意志表示を寄せられ、その際、「山﨑博昭君を追悼する東京での集会に参加した記憶がある」というメールをいただきました。それは、1967年10月17日の日比谷野外音楽堂での「虐殺抗議・山﨑博昭君追悼中央葬」のことでした。新崎さんは当時、東京で、若き研究者として沖縄戦後史の研究に当たりつつ、沖縄の復帰運動・反戦運動にもかかわっていたのでした。10・8羽田闘争と山﨑君の死に強い関心を抱いていたとのことでした。
また、沖縄大学名誉教授として活躍されていた2014年12月2日に「珍しく東京で講演会をやるので、もしそれほど遠くなければ参加しませんか。一応顔を合わせておけば、今後何かと便利なことがあるかもしれませんから」と、これもメールで誘われました。自宅からとても近い国立市公民館だったということもあって、その講演会(演題は「県知事選の結果から見る沖縄のいま」)に参加しました。講演が終わってご挨拶したところ、「よく来てくれたね。そちらの活動を頑張って下さいよ。期待しています。皆さんによろしく」と満面の笑みで応じてくださったのでした。
それ以後も、沖縄の基地撤去闘争が厳しい状況の中で、最後まで、私たち事務局からのお知らせの手紙やメールを丹念にチェックされ、目標とした三つの事業の達成を喜んでくださいました。
ここに、プロジェクトの賛同人としてご支援いただいたご厚情に改めて感謝申し上げ、心から追悼いたします。
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新崎盛暉氏(あらさき・もりてる、沖縄大学名誉教授、沖縄近現代史)
東京生まれ。1961年、東京大学文学部社会学科卒。復帰運動家・反戦運動家として活動しつつ、1978年に伊波普猷賞、84年に沖縄研究奨励賞、93年に沖縄タイムス出版文化賞を受賞。沖縄大学の教授・学長を務め、2007年に定年退任し名誉教授となる。沖縄近現代史を論じる。「九条科学者の会」呼びかけ人を務めた。沖縄の市民運動の理論的主柱として発言し続けた。著書に『沖縄同時代史(全10巻・別巻1)』1993~2005(凱風社)、『沖縄現代史』1996 (岩波新書)、中野好夫との共著『沖縄問題二十年』1965 (岩波新書)など多数。
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(文責 事務局・原田誠之)