賛同人・奥平康弘さんを追悼します
憲法研究者の奥平康弘さんが2015年1月26日に急性心筋梗塞のため85歳でご逝去されたことを新聞報道で知りました。とても残念です。心からお悔やみ申し上げます。
昨年の7月に10・8山﨑博昭プロジェクトを立ち上げ、賛同人を募る活動のなかで奥平さんとお話する機会があったことが思い出されます。当プロジェクトへの賛同人依頼書をお送りした後、事務局として9月10日にお電話しました。
奥平さんは「夏の間は家にいなかったので依頼書は見ていない。溜まった手紙類が多いので、とりあえず趣旨を言ってください」とのことでした。趣旨をお話しすると、静かに聴いておられ、「ベトナム反戦の羽田事件のこと、山崎君のことは憶えています。大きな事件でしたからね。趣旨は了解しましたが、賛同金を入れるということなら、文面をきちんと読まないといけないので、依頼書を再送してください」と言われました。
そこですぐに賛同人依頼書を郵送したところ、ほどなく賛同金が振り込まれました。賛同人になってくださった方の中でも時期が早かったので、発起人の方たちもとても喜びました。
奥平さんは憲法研究、とりわけ表現の自由と知る権利の研究における第一人者として多くの著作を発表されてきました。故加藤周一さんらと共に「九条の会」(2004年)の呼びかけ人に名を連ねるなど、護憲の立場から様ざまな活動を重ねて来られました。わたしたちとしても当プロジェクト賛同人としてのメッセージをお願いしようと計画していた矢先でもあり、なんとも残念でなりません。賛同してくださったことに感謝申し上げるとともに、改めて心からお悔やみ申し上げます。
◎奥平康弘さん:1929年、北海道函館市生まれ。東京大学社会科学研究所教授などを歴任。『治安維持法小史』『これが破防法』『「表現の自由」を求めて』、『憲法の想像力』など著書多数。
(事務局・大橋圭一郎)