10・8羽田闘争で死亡の京大生/京都で初の追悼展(朝日新聞京都版)(2016年)

当プロジェクトの10月京都イベント(19~24日、展示と講演会、於:京都精華大学)が朝日新聞京都版で紹介されました。それを転載します。
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10・8羽田闘争で死亡の京大生
京都で初の追悼展

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1967年10月8日にベトナム戦争に反対した学生らのデモ「10・8羽田闘争」で警官隊との衝突の末、死亡した京都大生の山崎博昭さん(当時18)の追悼展が初めて京都で開かれる。学生運動の中心人物でありながら、長年、口を閉ざしてきた科学史家の山本義隆さん(74)が監修し、21日には山本さんの講演もある。

追悼展「ベトナム反戦闘争とその時代」は19~24日、京都精華大ギャラリーフロール(左京区岩倉木野町)で開かれる。羽田空港に通じる弁天橋での闘争の様子を写した写真や当時のビラ、三里塚闘争や沖縄闘争など60~70年代の反戦運動を追ったパネルなど約200点が並ぶ。

学生たちは67年10月8日、佐藤栄作首相(当時)の南ベトナム訪問阻止を目的に集まり、警官隊と衝突した。この羽田闘争で落命した山﨑さんは60年安保闘争で犠牲になった東京大生の樺(かんば)美智子さん(当時22)とともに学生運動のシンボルとなった。

2017年の没後50周年を控えて当時の記録を継承しようと、兄・建夫さん(70)や山﨑さんの同級生らが「10・8山﨑博昭プロジェクト」を14年に結成。建夫さんは「あさま山荘事件や内ゲバなどマイナスの面もあったが、安保法制などをめぐり、SEALs(シールズ)などの動きも出てきたいま、あらためて学生運動から学ぶことがあるはず」と話す。

プロジェクトの発起人の一人、歌人の道浦母都子さん(69)は博昭さんの死をきっかけにデモに加わり、「ガス弾の匂い残れる黒髪を洗い梳(と)かして君に逢(あ)いゆく」など学生運動を切り取った歌を詠んだ。道浦さんは「私たちがあの時代にやったことは何だったのか。数十年を生きたいま、もう一度、この活動を通じて問い直したい」と語る。
(波多野陽)
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沈黙破った元リーダー 21日に講演
追悼展を監修 山本義隆さん

「10・8山﨑博昭プロジェクト」が企画する際に中心となったのが、山﨑さんの高校の先輩で、元東京大全共闘議長の山本義隆さん=写真、京都精華大提供=だった。

山本さんは1960年、東大に入学。物理学者として将来を嘱望されたが、闘争に目覚め、学生運動を代表するリーダーの一人となった。逮捕を経て、予備校で物理を教えながら在野の科学史家として注目されたが、マスコミの取材を断り、学生運動について沈黙を守ってきた。だが、プロジェクトのメンバーらに説得され、2014年に東京で開かれた博昭さんの追悼集会で初めて公の場で当時のことを語った。

道浦さんは「大集会で演説する山本さんは鋭く、カリスマだった。その彼がいま、私たちの精神的な支柱になっている」と話す。

山本さんは今回の追悼展のあいさつ文に「(展示が伝える)十年余の闘いは、日本の民衆が自分たち自身の力で世界史の動向に手を掛けた初めての経験であり、その記憶は、日本の民衆の記憶として残されるべきもの」と書く。

21日には、京都精華大・明窓館で午後6時半から「近代日本と自由~科学と戦争をめぐって」と題し、無料の講演会を開く。プロジェクトは来夏、ベトナムで同様の展示も企画。建夫さんは「日本での反戦運動を伝えたい」と話す。
(2016年10月15日 朝日新聞京都版)
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《要項》
山本義隆監修/ 10・8 山﨑博昭追悼「ベトナム反戦闘争とその時代」展

1960年代~70年代における全国各地のベトナム反戦闘争の記録、写真など資料を集めました。コンテンツごとに展示し、過去を振り返り、現在へ反映し、未来につなげます。
期間中、毎日上映会があります。

砂川基地拡張反対闘争の記録写真と資料。
ベ平連とジャテックの活動記録。
日本各地の米軍基地内での反戦地下新聞・機関誌。
第一次羽田闘争(1967年10月8日)の連続記録写真(撮影・北井一夫)。
王子野戦病院反対闘争、佐世保闘争、三里塚闘争の記録写真。
ポスター(粟津潔 他)。
関連書籍、雑誌、新聞、写真集などを展示します。
展示会開催期間中、展示会場にて毎日上映会を行います。

《上映タイトル》
❶「怒りをうたえ Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ部」宮嶋義勇監督
❷「脱走米兵キャル 1968」(20分モノクロ)
❸「よみがえる科学者~水戸巌と3・11」MBS 毎日放送
❹「Do Not Kill」ベ平連JATECの記録
❺「現認報告書─羽田闘争の記録」1967年 小川紳介監督
❻「砂川の熱い日々」1955年(制作2002年 砂川を記録する会)星紀一監督
❼「Hearts&Minds ベトナム戦争の真実」1975年 ピーター・デイヴィス監督

◎展示期間/10月19日㈬~24日
◎時間/10:00~18:00 ◎入場無料
◎会場/京都精華大学ギャラリーフロール
〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137
●叡山電鉄鞍馬線「京都精華大前」下車 ➡徒歩4分
●地下鉄烏丸線「国際会館」下車➡3番出口よりスクールバス運行(日曜運休) ●京都バス(路線バス)「国際会館駅前」➡40・50・52系統で「京都精華大学前」下車
※日曜はスクールバス運休。上記の路線バスをご利用ください。
※駐車場はございません。公共交通機関をご利用下さい。

◎主催/「10・8山﨑博昭プロジェクト」大阪事務局
〒530-0047 大阪市北区西天満4-8-2 北ビル本館301号 北本法律事務所内
FAX 06-6365-0009
◎共催/京都精華大学
◎協力/60年代研究会(代表 山本義隆)

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2016年10月21日㈮/in京都
岡本清一記念講座「日本と世界を考える」
山本義隆講演会
近代日本と自由─科学と戦争をめぐって─
◎京都精華大学 明窓館 M-201
◎開場18:00 開演18:30
◎参加費無料
◎主催/京都精華大学
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