山本義隆さんの講演会(京都精華大学)が毎日新聞で報道

「自然を超える科学」警鐘
東大全共闘 山本さんが講演 京都精華大
「原発経済、将来奪う」

毎日新聞2016年11月1日 京都版

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 科学史研究者の山本義隆さんの講演会が京都精華大(京都市左京区)で開かれた。テーマは「近代日本と自由」。学生や市民ら約480人を前に「近代の科学技術は自然を超えようとしている」と警鐘を鳴らした。

 元東京大全共闘代表で、大学闘争の象徴ともみられてきた山本さんは「看板を作ったり集会のマイクの準備や掃除と雑用も多かった。世の中に出て、周囲の自分への見方が変わっていてショックだった」と当時の戸惑いを明かした。

 また、近代日本の科学技術や経済の発展を振り返りながら、「原発や武器の輸出など を通じて無理やり経済を成長させようとしているが、将来の世代からの収奪ではないのか」と批判した。

 日本の科学者の代表機関「日本学術会議」が軍事研究を認めない従来の姿勢の見直しを検討していることへの質問を受け、山本さんは「研究者の意識の問題ではないか。研究者には研究をやめる権利もある」と能動的な行動を促した。

 1967年10月8日の「羽田闘争」で亡くなった京都大生の山崎博昭さん(当時18歳)を追悼し、精華大であった展示会に合わせた企画。山崎さんと大阪府立大手前高校で同窓生だった山本さんが10月21日に講演した。
 【宮川佐知子】



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