週刊金曜日が「10・8羽田闘争から50年」を掲載

 週刊金曜日10月6日(1155号)が“「10・8羽田闘争」から50年”を企画し、二つの論文と記事を掲載しています。ご一読されるよう、お薦めします。

http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002406.php

 一つは、編集部の成澤宗男氏による「18歳と11カ月で斃れた京大生の記憶――忘れはしない、そして風化もさせない」と題した3ページにわたる論稿です。

 もう一つは、当プロジェクト発起人の一人、山本義隆氏がベトナム・ホーチミン市の「戦争証跡博物館」での「日本のベトナム反戦闘争とその時代展」(8月20日から2か月間)のオープニングセレモニーで行った講演「ベトナム反戦運動とその時代――いま、私たちは何を思い起こすべきか」です。

 また同誌では、50周年記念誌『かつて10・8羽田闘争があった』の紹介が掲載されています。
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『かつて10・8羽田闘争があった』が出版

「山﨑博昭追悼50周年記念」の「寄稿篇」と銘打った、『かつて10・8羽田闘争があった』(合同フォレスト)が、このほど刊行された。これまで未公開だった山﨑さんの生前の写真や手紙などが掲載され、兄の建夫さんによる山﨑さんの短い生涯の貴重なエピソードも冒頭に描かれている。死後50年に、山﨑さんの人となりを知る上で最良の刊行物が誕生した形だ。
 圧巻なのは、山﨑さんと同時代を生き抜いた61人の手記だ。全員が何らかの形で「10・8」と山﨑さんの死に関わり、深く影響されたという共通点以外、職業も経歴も、政治性も各自多種多様だ。そこには、実際に第1次羽田闘争で弁天橋の現場にいた14人も含まれる。それだけに、1968年、69年の激動の時代が「歴史」になりつつある昨今、当時の闘争を主導した政治勢力とそこに参加した若者たちの行動原理や価値観を知る上で、そして70年安保闘争敗北以降の運動の後退を見つめ直すためにも、本書は格別な意義を持つ証言集となっている。
 同時に、本書で当時の学生や高校生の意識の高さ、知的なものと向かい合おうとする態度の真摯さを知るにつけ、今日のこの世代の比較を絶する退廃ぶりに間違いなく気付かされよう。
 おそらく本書を手にした山﨑さんの記憶を心のどこかに留めている世代は、青春期からの人生の軌跡が浮かんでくるのではないか。そして、「残された時間」に何を為すべきかという課題についても、同様だろう。
(成澤宗男)
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