新年のご挨拶 最前線でコロナと闘う病院労働者の窮状に思う/山本義隆

新年のご挨拶

最前線でコロナと闘う病院労働者の窮状に思う/山本義隆

 

謹賀新年

 昨年来のコロナ禍はますます拡大の様相を示しています。コロナは期せずして日本社会の歪みを焙り出すことになりました。

 昨年私は、10・8山﨑博昭プロジェクトのホームページに、コロナについて思う処を表明しました。5月には、自身の2年前の入院経験を踏まえ「とくに看護師さんたちが汚い仕事でも嫌な顔ひとつせず献身的に働いていることは、本当に頭が下がります」と書き、医師に比べて給料の低い看護師に「危険手当」を考慮すべきと訴え、医療労働者を守ることの重要性を強調しました。

 そして7月には、始まった「GOTOキャンペーン」に対して、特定業界への優遇措置で「感染地域の拡大を助長するような政策を、それも多額の税金を使って推進することは、愚かと言うよりははっきり言って犯罪的です」と表明しました。その後、首相は安倍から菅に代りましたが、コロナに対するほとんど無策に等しい対応と、この「GOTOキャンペーン」は変わってはいません。

 昨年12月24日の『毎日新聞』(註:下に画像)で、日本看護協会会長が看護師の窮状を訴えています。看護師は、一方では一般患者の減少による病院経営の悪化で給料やボーナスが減らされた者も多く、他方で、これまでは外部業者に委託していたトイレや病室の清掃などもやらなければならず、家族や子供が差別された者もあり、10か月間の緊張と激務で、心身ともにもう限界に近いとあります。

 金と暇のある人たちが政府から補助されて旅行や会食を楽しんでいるのと比べると、その落差は大きすぎます。国が真っ先に補助すべきは、病院労働者のような最前線でコロナと闘っている人たちでしょう。病院労働者の窮状は政府の無策の結果でもあるのです。せめて金銭面だけでも十分な形で報いるべきでしょう。

 正月早々、堅苦しい話で恐縮ですが、あまりの理不尽に書かずにはいられません。ともあれ、今年がなんとか良い方向に向かいますように。くれぐれもお体、気を付けてくださいますよう。

2021年正月 山本義隆

註:山本義隆さんの年賀状を転載。見出しは勝手ながら事務局がつけました。

毎日新聞(2020年12月24日、夕刊)画像をクリックすると拡大されます。

 



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