ロシア軍のウクライナ侵略――野蛮な暴力には人間の理性で立ち向かうしかない/水戸喜世子

ロシア軍のウクライナ侵略――野蛮な暴力には人間の理性で立ち向かうしかない
ただちに停戦を! 戦車の前に座り込む覚悟で!

水戸喜世子


左側は東ティモールの青年たち。右側はアメリカの青年(ティモールの青年写す。2月27日)

●初めての抗議のスタンディング

 2月最後の日曜日、夕方から京都三条大橋でウクライナ武力侵攻に反対するスタンディングがありました。3日前に誰からということなく、決まったアクションだったそうで、私が知ったのも当日の昼ごろでした。
 米軍のベトナム北爆(1965年2月)直後に神戸アメリカ領事館前に連日座り込んだ記憶が蘇ったのです。世界の民衆の実力行動が戦争を終わらせる大きな原動力になったのは紛れもない事実です。大きな力になるのも最初は必ず一人から、はじまるのです。
 あまり本調子ではありませんでしたが、参加できて、かえって体も心もシャキッとしました。たった一人で参加したので、横のやっぱり一人だけで参加されていたアメリカの青年とお友達になり、そうこうしているうちに右隣の東ティモールの3人組とも「戦争だけはイケナイね」と話しかけて仲良しになりました。写真は彼らが撮ってくれたものです。
 プラカードは
『プーチンよ、トルストイが泣いている!』
 裏面には
『日本も武器を持つな』
と書いて、キャンドルの代わりに、谷本澄子さんが送ってくださった「ソネングラス」の灯りを持って立ちました。流石に寒気が応えて、老人割引で10分だけ早めに切り上げさせてもらいました。アメリカの青年は『お大事に』と心遣いしてくれました。
 ああ、体力が欲しい! (2月27日)
(コメント:24日のニュースを聞いたのは、昨年来のめまい症という体調不良の上に、収まったかと思うとすぐぶり返す膀胱炎の痛みにほとほと閉口し、一日の大半を横になって過ごしていた時期だった。)

●武器の代わりに花を!

 3月8日は国際婦人デー(大阪は5:30元町中公園)。
 武器の代わりに花を!
 ロシアによるウクライナへの戦闘行為が今日もまだ止まらない。もう10日も経とうとしているのに!
 その間のウクライナの市民を想うと胸が張り裂ける。
 国民学校3年生の頃の遠い記憶~~警戒警報、空襲警報に怯えながら家の防空壕で小さくなって震えていた。ここは危ないからと近くの商品取引所の地下に避難したところで、私の家に焼夷弾が落ちて、父と6年生の兄が消火作業をしていると聞かされた。絨毯爆撃だから消火活動など意味無いのに!と母が吐き捨てるように言った。生まれて1か月の妹をおんぶした母のあとを追いかけるように、5歳の弟の手を引いて、3月初めの寒さに震えながら逃げた思い出。火の粉が洋服や母の胴着に降りかかる焦げ臭かった記憶は86歳の今も体中の細胞が覚えていて消えない。その後も続いた避難生活の辛かった記憶も、ウクライナの逃げまどう子どもの映像と重なって、よみがえってしまうのだ。
 国家の安全保障という口実で始まった戦争が、結果として個人の安全保障をこんなにも脅かしている。すぐに止めなければならない
 ウクライナ国は国民に火炎瓶の作り方を教えて、男は留まって応戦しろと強要しているという。
 竹槍で落下傘兵を突けと、訓練をさせられた記憶が蘇る。
 わが家が焼夷弾で燃えているのに、父は子どもと逃げることを許されず、町を守れと強いられた記憶。
 戦車や兵士で人権の保護や国と国の間の紛争解決に繋がるわけがない。
 勝っても負けても傷つくのは民。武力で平和は作れないことは20世紀の筆舌に尽くせぬ悲惨な犠牲の上に人間がやっと辿り着いた最後の知恵ではなかったのか。
 私たちは命をかけてもこの到達点から後退してはならないのです。人類が存続するためには。
 核シェアリング?!!! 命を冒涜する戯言を無批判に流布する報道は糾弾されねばなりません。 (3月6日)


▲福島でのマリア

●チェルノブイリ原発事故で傷ついた人々

 3月4日未明、ウクライナ南部の原発を爆撃、敷地内で火災発生の報道をお昼過ぎに知って心底驚いた。
 ウクライナに向けて核攻撃すれば、ロシアにも被害が及ぶのは必至、被曝は免れないから、それはありえないだろうと思っていた。しかし戦争に取り憑かれた指導者は往々にして理性を失い、正常な判断ができなくなる。これほど恐ろしいことはない。
 その恐ろしさを世界で一番知っているのがウクライナと福島の人々である。
 キエフ生まれ、胎内被ばくして出生した娘さん、マリアに出会ったのは4年前だった。2018年、関西テレビのディレクター宮田輝美さん制作のドキュメンタリー『マリアとフクシマ』の主人公。
 大人になって初めて、自分が甲状腺機能亢進症であることを知った。甲状腺を取り除いた後も将来への不安に苦しみ、悩み続け、将来への希望が持てない。甲状腺がんの切除手術の後も悩み続けて訴訟に踏み切った日本の6人の若者と重なる。
 マリアはフォトジャーナリスト・小原一真さんとのトークイベントを機に来日し、福島で初めて、自分の生い立ちについて人前で語りはじめた。
 「福島で友達になれる人はいませんか」とディレクターの宮田さんから問い合わせを受けたのがマリアを知るきっかけだった。
 感受性豊かな絵を描くマリアはやがて南相馬市を拠点に活動する絵本作家の小原風子さんや甲状腺癌を切除した大越良二さんらとも繋がるようになり、自分を少しずつ取り戻していく。
 いくつもの受賞をした素晴らしいドキュメンタリーだった。
 そのマリアのその後を知らない。キエフに戻っていれば、……。
 キエフには核被害で傷ついた無数のマリアがいるはずだ。チェルノブイリ原発事故後の子どもを守ろうと『ウクライナ法』を作って奔走した人々も。それは福島のお手本になり、努力不足の日本人を叱咤激励している。
 原発だけは、どんなにエネルギーが不足しても、廃炉にしなければならない。(その後問い合わせて、マリアの無事は確認できたが、再放送の予定はないとのこと。) (3月4日)

●連日スタンディングをしながら考えること

 私たち市民にできるウクライナの人々(国ではない)への一番の支援とは何だろう。
 核は言うまでもなく、一切の武器は持たず・作らず・持ち込ませず、を自国政府に100%守らせることではないだろうか。
 自衛隊法改正を企んでいる政府をしっかり監視すること。
 ウクライナの人々を守れ、と世界中から叫ぶこともとても大切だが、訴える相手は目の前にいるように思えてきた。
 防弾チョッキは生活支援なの?! 次は自衛のためと手榴弾が送られる予感がする。私たちの税金が戦争支援に使われないか監視しなければ、と思う。 (3月11日)

 
▲高槻駅前(3月19日)

●戦争の悪の連鎖を断つために  

 3月13日、今日の高槻駅前のスタンディングはこれまでで最高の参加者でした。テーブルを出して寄せ書きコーナー、カンパコーナーも。地元の辻元清美さんも「原発が絶対ダメってことがよく分かりましたね」と語り、次々に「武器で平和は作れない」、「憲法九条を」、「核共有ではなく核禁止条約を」と発言が続きました。小さな子どもの参加もありました。
 大きな時代の転換点にあることを胸に刻んだスタンディングでした。
 これは私の夢想です。でも無い知恵を絞ってかなり本気で考えた末の結論です。
 武器を持たないでどうやってプーチンから自分の故郷を守るの? という人に。

1.日頃から国境を接するアジア諸国と友好関係の維持を大切にする政権、日本は軍隊を持たないことを日頃から近隣諸国によく知ってもらう努力を本気でする政権を選ぶ。
2.それでも今度のロシアのように武器で攻められたら、世界から丸腰の市民義勇兵を募り、戦車の前に、最前線に座り込む。できれば私のような老人がいい。
3.殺されるかもしれないが、いっときの殺戮であって、犬死にではない。報復の連鎖はない。孫や未来の故郷を守ることができる唯一の意味ある死。世界の世論は黙っていないはずだ。野蛮な暴力には、人間の理性と知恵でで立ち向かうほかない。   

 いっときの犠牲は出ても、とても意味ある犠牲ではないだろうか。それだけの覚悟がなければ、憲法9条を! とは言えないな、と思いいたりました。かつて国民学校の生徒の頃、「天皇のために死ぬ」のは当然だと教えられましたが、それは侵略者の片割れになること。戦争の悪の連鎖を断ち、世界から武器という凶器を追放し、まご子を守るためなら死ねるような気がしています。老人の戯言でしょうか。マイクをもって、戦争体験を語りました。 (3月13日)

●非戦の思想をどう現実の中で生かすか

 今日、3月19日の高槻駅スタンディング。憲法9条を柱に高槻の市民団体が作る実行委員会の主催によるもの。高槻駅南口、北口に別れなければならないほど、参加者は増加傾向にある。カンパをする若者の姿も目立った。
 毎回、1人か2人Facebookを見て来たよ、と言ってくださるFB友だちにも会えて嬉しい。昔の教え子が「カンパだけに来たの……」とこっそりと顔を見せてくれて嬉しかった。
 暮らしの場で意思表明することの大切さを感じる。
 アッピールの中身も「ウクライナに平和を」から一歩踏み込んだ発言が増えてきた。日本の政治家の「核シェア」発言への警告、ロシア国内での闘いへの連帯、自衛隊備品の防弾チョッキやヘルメットを送る政府の支援の仕方に抗議と監視を、原発持つことの危険性などなど。
 国家間の勝ち負けではなく、二つの国の民衆、それにつながる世界の民衆の安全と幸福を守る方法をわたしたち一人ひとりが考え、そのために力を尽くしたいと思う。今日も私の頭の中はグルグル堂々巡りするばかりだった。
 非戦の思想をどう現実の中で生かすか。
 アクションが終わって、気の置けないおんな友だちと喫茶店で語り合った。「オミクロンなんかなかったら、戦車の前、座り込めるのになあ」と友人が言う。「婆さんたちが座り込んだら、世界中から駆けつけてくれると思う」、「イヤイヤ誰も来なくてもいい、1人で腹を決めて実行するんや」、「誰も来んような地球なら、生きてる価値もあらへんわ」、「もう十分生きたからええねん」。
 小さな一つの命は、もしかして世界を動かすほどの力があるのかもしれない。体の中から元気になった気がした。 (3月19日)

 

 

●「事実が世界に伝わることが変化や進展につながるはず」

 3月19日「報道特集」(JNN / TBSテレビ)、金平茂紀キャスターがロシアの同盟国、ベラルーシを取材した。ヤクザの親玉のような大統領ルカシェンコの取材は目を見張る内容だったが、そのあと、街に出て、通行人に取材した記録はとても貴重なもので、胸が詰まりながら慌てて、カメラに収めた。世界の人に伝えたいと逮捕覚悟で語ってくれている名もない普通の女性たち!
 せめて拡散のお手伝いになれば、と書き記します。
 モスクワでもベラルーシでも女は絶対に戦争反対(番組中で取材に応じたモスクワの女性たち、握手したくなりました)。なぜか一部の男は口をつむぐけど。
 貧しさ故に兵隊になった若者を紙屑を燃やすように殺し合わせる政治家。プーチンもゼレンスキーも、バイデンも。
 愛国心の出番。ドイツの緑の党までもがGDP2%を軍事費に充てるという! コロナウイルスで世界中が地獄の釜の淵を覗いているところだというのに。
 21世紀の武器は核だ、細菌だと恐怖を煽り、強い国の庇護が大事だと説く。でも世界の女たちは戦争は悪だと見抜いている。それをしみじみ実感できる番組でした(写真は弾圧の厳しいベラルーシの女性の街頭でのインタビューの一部です)。
 女性が最後の言葉「それが(事実が世界に伝わることが)変化や進展につながるはず」に託した思いに微力でもこたえたい。 (3月19日)


▲ドキュメンタリー映画『医師 中村哲の仕事・働くということ』

●いま改めて、中村哲さんの言葉

 すみません。何をしていても、ウクライナで逃げ惑う子どもや老人、弱い人たちのことが頭から離れません。
 どんな場合でも錯綜した情報ではなく、歴史的事実から学ぶことが大事です。NATOがしてきたこと、プーチンがしてきたこと。
 その意味で,弱者の側からの示唆的なメッセージだと思いました(「ロシア軍のウクライナ軍事侵攻に関するチェチェン連絡会議声明」2022年3月23日)。なぜ緑の党までが武器を送ることに賛成したのか、少し理解できました。賛成できませんが。
 武器に頼らざるを得ないのは、世界の世論がまだまだ圧倒的に大きくないからなんですね。世界の国々で自国政府が血眼になって調停に知恵を絞るところまで、国民が追い詰めていない。やはり足元から、ですね。
 日本政府はプーチンを止めるために、今何をすべきか? ウクライナの人々を助けるために何ができるか、考え続けたい。立ち止まっている暇はないのですが。

 日本の政権担当者に 何としてもわからせたい。そんな政府を作りたい。

「武器など絶対に使用しないで、平和を具現化する。それが具体的な形で存在しているのが、日本という国の平和憲法、9条ですよ。それを、現地の人たちも分かってくれているんです。だから、政府側も反政府側も、タリバンだってわれわれには手を出さない。むしろ、守ってくれているんです。
9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それがほんとうの日本の強みなんですよ。」(中村哲)

 3月26日の夜、たまたま聞いた「今夜も生でさだまさしスペシャル」の番組でさだまさしがこんな歌を歌って、ウクライナの戦争について、語っていました

♪♪私は撃たないけれど 戦車の前に座るでしょう ポケットに花の種を一杯詰めて
私が撃たれてもその跡に私が続くでしょう
そしてその場所は きっと花が咲くでしょう 色とりどりに♪♪

 こう語っていました。「……小さな領土のための、こんな戦争は200年後にはなくなるだろう。……」

 原爆が落とされたら、一目散に逃げます。戦争は始まったら、もう止まりません。戦争を起こさない為に英知を出し尽くすことが私たちの平和運動です「武器で平和は作れない」という9条の中身を説得力あるものにしていくために、もっともっと知性を磨かねばなりません。
 広島・長崎をはるかに超えた現代の戦争、日頃避けて考えないようにしてきたリアリティを、いま冷酷に突きつけられています。音楽家も画家も作家も、一市民も厳しく問われている瞬間ではないかと思います。8000キロのおかげで思考の余裕があるのはほんとうに幸いです。考えねば。

 戦争は一旦始まってしまうと不条理に不条理が屋上屋を重ねることになってしまう。いずれの側も。それでもかならず折り合いはつけられるはず。
 人間の知恵が試されている瞬間です、ああ、水戸巌出てこい! (3月26日)

●トルストイはロシア人の心に生きている

 ロシア国営テレビ放送の女性スタッフ、マリーナ・オフシャンニコワさんが勇気ある行動に出たのは、3月14日。ニュースの生放送番組中に「戦争反対、戦争を止めろ」と叫び、「NO WAR」と書いた手描きのプカードをかざした。「戦争反対 戦争を止めろ プロパガンダを信じるな 彼らはここで嘘をついている ロシア人は戦争に反対している」と、訴えた。
 3月29日、今日のウクライナ侵略戦争に関する報道で、希望につながるもの。『ロシア兵士母の会』。
 ロシア兵の死者数が、ロシア発表が不自然に西側発表と比べて少ないのは、『母の会』を意識したものとのこと。「最前線には職業軍人をあて、徴兵は使わない」との政府見解に「使う、とは何事だ!!」と「母の会」から猛反撃があったという。
 トルストイはロシア人の心に生きているのです。 (3月29日)

●知性を磨くことこそが私たちの武器

 すばらしいです!
 調停のために、研究者が立ち上がり、行動を起こしました! (資料を下に転載)
 21世紀に求められる知性とは、こんな知恵のことです。戦争を起こしてしまったのは、大きな悲劇ですが、そこで諦めないで一刻も早く収束させる知恵を持つことが求められています。こんな提案が世界から100も1000も寄せられ、実行する知恵がいま求められていると思います。
 人間がサルよりも脳の重量が大きいことが、果たしてよかったのかどうか私には疑問でしたが、今こそその特徴を発揮するときでしょう。不幸な仲間をこれ以上作らないために。
 世界中の小学生がプーチンとゼレンスキーに手紙を書いてもいいのです。
 8000キロ彼方の出来事だからかもしれない。言論人のアクションがないのはなぜだろう。『長州新聞』の取材、報道は注目に値する。西側一辺倒の報道が伝えない真実の一端をのぞかせてくれている。 (3月31日)

(考え続ける、街頭に立ち続ける)

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【資料】憂慮する日本の歴史家の訴え

「われわれは日本、中国、インド三国の政府にウクライナ戦争の公正な仲裁者となるように要請する。」として、署名簿とともに政府に要請しました(詳しくは以下をご覧ください)。

「ウクライナ戦争を1日でも早く止めるために日本政府は何をなすべきか」 ロシア史研究者有志が声明発表 専門的見地から行動提起

憂慮する日本の歴史家の訴え―――

 ロシア軍の侵攻によりウクライナ戦争がはじまってから3週間がすぎた。ロシア軍はキエフを包囲し、総攻撃を加えようとしている。このような戦争が継続することはウクライナ人、ロシア人の生命をうばい、ウクライナ、ロシアの将来にとりかえしのつかない打撃をあたえることになる。それだけではない。ウクライナ戦争の継続はヨーロッパの危機、世界の危機を決定的に深めるであろう。
 だから、われわれはこの戦争をただちに終わらせなければならないと考える。ロシア軍とウクライナ軍は現在地で戦闘行動を停止し、正式に停戦会談を開始しなければならない。戦闘停止を両軍に呼びかけ、停戦交渉を仲介するのは、ロシアのアジア側の隣国、日本、中国、インドがのぞましい。
 日本はアメリカの同盟国で、国連総会決議に賛成し、ロシアに対する制裁をおこなっている。しかし、日本は過去130年間にロシアと4回も深刻な戦争をおこなった国である。最後の戦争では、米英中、ロシアから突き付けられたポツダム宣言を受諾して、降伏し、軍隊を解散し、戦争を放棄した国となった。ロシアに領土の一部をうばわれ、1956年以降、ながく4つの島を返してほしいと交渉してきたが、なお日露平和条約を結ぶにいたっていない。だから日本はこのたびの戦争に仲裁者として介入するのにふさわしい存在である。
 中国はロシアとの国境画定交渉を成功させ、ロシアとの安定的な隣国関係を維持しており、国連総会決議には棄権した。ロシアに対する制裁には反対している。インドは伝統的にこの地域に起こった戦争に対して停戦を提案し、外交的に介入してきた。インドとロシアの関係は安定しており、国連総会決議には棄権している。
 だから、日本が中国、インドに提案して、ロシアの東と南の隣国として、この度の戦争を一日も早く終わらせるために、三国が協力して、即時停戦をよびかけ、停戦交渉を助け、すみやかに合意にいたるよう仲裁の労をとることができるはずだ。
われわれは日本、中国、インド三国の政府にウクライナ戦争の公正な仲裁者となるように要請する。
ロシア軍とウクライナ軍は即時停戦し、停戦交渉を正式にはじめよ。
 ロシア軍はロシアにとっても信仰上の聖地であるキエフへの総攻撃をやめなければならない。
 最後に訴えたい。ウクライナ戦争をとめるには、すべての者がなしうるあらゆる努力をつくさなければならない。傍観者にとどまってはならないのだ。
                       2022年3月15日

伊東孝之 (北海道大学名誉教授)
加納 格 (法政大学元教授)
塩川伸明 (東京大学名誉教授)
富田 武 (成蹊大学名誉教授)
藤本和貴夫 (大阪経済法科大学元学長)
和田春樹 (東京大学名誉教授)
加藤史朗 (愛知県立大学名誉教授)
梶浦 篤 (電気通信大学教授)
豊川浩一 (明治大学教授)
長與 進 (早稲田大学名誉教授)
西 成彦 (立命館大学名誉教授)
羽場久美子 (青山学院大学名誉教授)
毛里和子 (早稲田大学名誉教授)
吉田 浩 (岡山大学准教授)
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▲京都三条大橋にて(2月27日)



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