№5(2018年3月25日):ご挨拶/山﨑建夫、50周年記念行事の報告、関西集会の報告、歴博展を訪ねて、今後の展開 他
10・8山﨑博昭プロジェクト・ニュース(№5)
2018年3月25日 発行・「10・8山﨑博昭プロジェクト」事務局
(104-0061)東京都中央区銀座8-10-6銀座 MEピル3F
東京銀座総合法律事務所内
FAX:03-3573-7189 E-mail:monument108@gmail.com
http://yamazakiproject.com/
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2017年10月8日、山﨑博昭追悼50周年を、プロジェクトの目標達成とともに迎えることができました。
ご協力、ご支援をいただいたみなさまに心より感謝いたします。
私たちがこの3年間目標として来たのは、➀モニュメントの建立、➁記念誌の刊行、➂ベトナム・ホーチミン市戦争証跡博物館での「日本のベトナム反戦闘争とその時代展」の開催でした。
みなさまの戦争に反対する熱い想いに応援されて実現することができました。
ありがとうございました。
▲墓石と墓碑/福泉寺:萩中公園の道一つ隔てた西隣(2017年10月8日)
▲献花と黙祷/羽田・弁天橋(同上)
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<ご挨拶>本当に感謝しています。
10・8山崎博昭プロジェクト代表 山崎建夫
プロジェクトの3つの事業は発起人、東京事務局、関西運営委員、賛同人の方々のお陰でほぼ実現しました。それぞれお仕事や活動で多忙な方が、我がことのようにその時間を割いて下さいました。本当に感謝しています。
ベトナムツアーに60人も参加されたことは驚きです。ベトナムで展示された弟の遺影を見ることになるとは当初考えてもいませんでした。弟たちの意志と存在がきちんとベトナムに伝えられ受け容れられました。国内でマスコミから「暴力学生」とバッシングされた当時を思い出し感慨ひとしおです。
50周年記念誌の記録資料篇の発行、ベトナムでの永久展示の再確認・次回の展示、さらに平和村との交流と新たな課題もあります。
皆様のご協力に感謝するとともにさらなるご支援をお願いします。
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本プロジェクト基金へのさらなるご支援をお願いします。
★50周年の目標は達成されました。
今後は賛同金1口3,000円~とさせていただきます。
賛同金・振込先
➊三菱東京UFJ銀行・銀座通支店(店番024)
普通預金□座番号0375980
口座名義10・8山崎基金(ジュッテンハチヤマザキキキン)
➋ゆうちよ銀行 記号10130番号96337621
口座名義10・8山崎基金
・他の金融機関から「ゆうちよ銀行」に振込む場合
店名(018) 店番(018)普通預金□座番号9633762
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<2017年、50周年記念行事の報告>
戦争はいまだに終わっていないー熱い想いのみなさまとともに
2014年から始まった「10・8山﨑博昭プロジェクト」は、この3年間の事業の集大成として、2017年10月8日(日)、「羽田闘争50周年─山﨑博昭追悼─」集会を開催しました。
当日は午前10時30分から弁天橋で献花と黙祷を行いました。ベトナムからもアメリカからも参加者を得て、約80数人が集まりました。
午後からは、萩中公園の隣にある福泉寺本堂で「50周年忌法要」を行いました。福泉寺の墓地には、2017年6月にモニュメントとして「山﨑博昭」の名を刻んだ墓石と、第一次羽田闘争と反戦平和を祈念する文章を刻んだ墓誌「反戦の碑」が建立されています。10月8日が一般公開の日となりました。モニュメント建立以降、山﨑博昭の墓石には献花がたえない、という嬉しい報告を地元の人からいただきました。
午後4時から四谷の主婦会館で、「羽田闘争50周年―山﨑博昭追悼―」集会が始まりました。約220人が参加しました。そしてここで、この日を刊行日とする記念誌『かつて10・8羽田闘争があった(寄稿篇)』(合同フォレスト)が初めて公開、発売されました。
わたしたちがこの3年間目標としてきた3つの事業は、(1)モニュメントの建立、(2)記念誌の刊行、(3)ベトナムのホーチミン市戦争証跡博物館での「日本のベトナム反戦闘争とその時代展」の開催でした。集会では、そのすべてが達成されたことを報告することができました。
集会は3部構成で、第1部は「50周年を迎えて」。プロジェクト代表の山﨑建夫氏が挨拶し、発起人の山本義隆氏が戦争証跡博物館での展示報告、佐々木幹郎氏がモニュメント建立と記念誌の刊行報告を行ないました。
モニュメント建立とベトナムでの展示会については、代島治彦監督のドキュメンタリー映像が上映されました。
第2部は「羽田闘争と今」。山﨑博昭の死の直後に書かれた追悼詩「死者の鞭」(佐々木幹郎作)を俳優の品川徹氏が朗読。
続いて水戸喜世子さんが「10・8と反原発の今をつなぐもの―私にとっての10・8」というタイトルで記念講演を行いました。
そして、ベトナムからの来賓として、ホーチミン市のツーズー病院・平和村ニー代表から挨拶がありました。その後、戦争証跡博物館前館長などからのメッセージが読みあげられました。
▲福島泰樹氏
第3部は、歌人・福島泰樹氏による「山﨑博昭に捧げる 短歌絶叫コンサート」でした。
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ホーチミン市戦争証跡博物館での「日本のベトナム反戦闘争とその時代展」の大成功
8月20日から2ヶ月間の開催予定でしたが、好評につき11月15日まで延長したいとの要望があり私たちは喜んで承知しました。オープニングには日本からのツアーで発起人、賛同人を含め60人が参加しました。元南ベトナム解放民族戦線の男女の兵士だった方との懇親会があり、誰もが強い感動を得ました。またツーズー病院・平和村の米軍による枯れ葉剤被害者を見舞い、戦争への憎しみが胸に深く刻み込まれました。戦争はいまだに終わっていないのです。
(ベトナムでの詳細は公式サイトをご覧ください。)
http://yamazakiproject.com/from_secretariat/2017/10/21/3730
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「激動の時代を振り返って」羽田闘争50周年 in 関西
2017年11月12日、第2次羽田闘争から50年、山﨑博昭の69回目の誕生日になるはずだったこの日、大阪梅田でおよそ150名の出席者を集めて関西集会が開催されました。
集会は、故山﨑博昭への黙祷に始まり,山﨑博昭の大手前高校での同期生でもある作家三田誠広(発起人)氏による「1967年から1970年代にかけての激動の時代をふりかえって」と題する講演を中心として、映画「三里塚のイカロス」(毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞受賞)の代島治彦監督のベトナム展示会の様子や10月8日の東京での「羽田闘争50周年」集会の映像が紹介されました。
その他、プロジェクトの三つの事業や今後の活動について事務局からの報告がありました。
また、大阪のミュージシャン趙博氏による反戦の歌と語り、さらには、アメリカ外交史や世界の戦後学生運動について幸田直子さんの「グローバルヒストリーとしての1968」と題する発表がなされるなどの盛りあがりでした。
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『「1968年」無数の問いの噴出の時代』を訪ねて
国立歴史民俗博物館 (2017年10月11日~12月10日) 福井 紳一
歴博は、展示の契機を「1968~69年東京大学闘争資料(ビラ、パンフレット類など約5000点)、そして研究史の未開拓領域である日本大学闘争に関する資料(約1万5000点)を受け入れ、整理を開始したこと」としています。この東大闘争の資料は、山本義隆氏が歴博に寄贈したものです。それは、1994年に東大全共闘や日大全共闘のメンバーらが構成する「68・69を記録する会」によって編纂された『東大闘争資料集(全23巻+別冊5巻)』に収録された資料の「原本」を中心とする貴重なものでした。
12月6日、山﨑博昭プロジェクトの「日本のベトナム反戦闘争とその時代展」のための資料収集などを担ってきた駿河台予備学校日本史科講師たちによる「60年代研究会」は、歴博を訪問しました。展示は、第1部が『「平和と民主主義」・経済成長への問い』、第2部が『大学という「場」からの問い―全共闘運動の展開』でした。多岐にわたる資料の収集と整理があり、歴史研究において、異様に「空白」となり、意図的に「無視」される傾向が強かった、新左翼を中心とする「1968年」に象徴される、反体制運動の研究の大きな第一歩なると思われました。
しかし、展示の入り口が、いわさきちひろさんの絵で始まることには、運動の「多様性?」とはいえ、「わかってるのかな?」というような違和感を覚えました。
映像のコーナーでは、東大の校舎の窓から乗り出している、小さく映る映像の人物に向かって、「あれ、俺や!」と声を発して、本人にしか分からない貴重な「発見」を教えてくれる山本義隆氏を見れたことでした。これは「儲け物」の体験でした。
今年は、「1968年」で様々な企画や出版が行われるでしょう。また、 近現代史研究の領域に於いてさえ、意図的・政治的に「無視」され、あるいは「忌避」されてきた、1960~70年代の闘争が、「アカデミズム」の中でも取り上げられる傾向が進むでしょう。多様で豊饒な試行錯誤や現在まで継承される実践の存在を実証して、「曲解」からの救抜を試みる者も増えるでしょう。
全共闘運動には、党派の影響も大きく、党派の活動家の個人としての参加など、多様な形態がありました。政治党派の動きも含めて詳細に実証していくことが歴史学の課題でもあります。一方、1960~70年代の闘争の中から、「内ゲバ」「爆弾」「連合赤軍」が生み出されていったことも冷徹な事実です。そのことの意味を考え抜くことが多くの死者への敬意であり、綿密に実証・分析を進めて究明に努めることが、「日本」近現代思想史を研究する者としての責務であり、矜持であると思っています。
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<今後の展開について>
第一次羽田闘争50周年を目指して活動してきた「10・8山﨑博昭プロジェクト」の今後についてお伝えします。わたしたちは今後も、戦争に反対するという意志表示を国内外に広げていこうと考えています。
記念誌の第2巻『かつて10・8羽田闘争があった(記録資料篇)』(2018年10月8日刊行予定。合同フォレスト)を現在、編集中です。この本の刊行によって、わたしたちの第1ステージは終了します。
その後に続く第2ステージでは、べトナム各地とアメリカで、また日本国内で、「日本のベトナム反戦闘争とその時代展」を巡回展示することを計画しています。また、この50年間の発起人・賛同人それぞれの経験を踏まえた、反戦をめぐる講演会、シンポジウム、研究集会、パフォーマンス・イベントを開催します。「10・8山﨑博昭プロジェクト」を中心に、思いもかけない各ジャンルの表現運動、反戦運動の新しい磁場を作ることができれば、過去と未来をつなげることができれば、と考えています。ふるってご協力、ご参加ください。
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【2018年のスケジュール】
<東京>
➊6月2日(土)14時~17時 全水道会館(JR水道橋駅)
シンポジウム「1960年代の反戦闘争を考える(仮)」
― 記念誌第1巻をめぐっての徹底討論 ―
シンポジスト/三橋俊明(『日大闘争の記録』編集人) 他
司会/佐々木幹郎
➋10月7日(日)17時~21時 主婦会館(JR四谷駅)
講演「アメリカから見た10・8羽田闘争(仮)」
講師/ウィリアム・マロッティ(歴史学者・UCLA准教授)
嶋田美子(美術作家・東京大学非常勤講師)
<関西>
➊6月30日(土)14時~17時 TOGホール(大阪駅前第2ビル)
シンポジウム「1960年代の反戦闘争を考える(仮)」
シンポジスト/交渉中 司会/辻 惠
➋11月10日(土)14時~17時 エルおおさか(京阪天満橋駅)
「タイトル・講師 未定」
<他>
展示会 ベトナム・ハノイ、沖縄など(計画中)
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『かつて10・8羽田闘争があった―山﨑博昭追悼50周年記念[寄稿篇]』
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3900円+消費税(312円)
10・8山﨑博昭プロジェクト編 四六版並製624ページ 定価/3900円+消費税(312円)
発行:合同フォレスト 発売:合同出版
この記念誌は全国の書店、Amazonで購入できますが、当プロジェクトに直接申し込んでくださると著者割引でいくらかお安くなります。
Eメールでお申込み: monument108@gmail.com FAXでお申込み:03-3573-7189
①ご送付先 ②お名前 ③お電話番号 ④冊数を必ずお書きください。
本を郵送する際に同封します振り替え用紙にて「代金+送料」をお支払いください。
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月命日(8日)墓参のお知らせ ― 事務局より―
発起人、事務局は毎月有志で山﨑博昭の月命日のお参りをしています。
次回日時は4月8日(日)、5月8日(火)です。
当日、午前11時30分 福泉寺集合
福泉寺/大田区荻中3-27-10
・京急空港線大鳥居駅下車、徒歩15分
・JR蒲田駅東口 ③番羽田空港行きバス
「荻中公園前」下車、徒歩1分
墓参後、昼食・歓談を予定しています。
お時間のとれる方はご一緒して下さい。
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◎発起人会議の記録(開催日のみ)
第30回2017年5月29日/第31回6月29日/第32回7月27日/第33回8月28日/第34回9月25日/第35回10月27日/第36回11月28日/第37回12月19日/第38回2018年1月30日/第39回2月27日/第40回3月20日
◎関西運営委員会の記録(開催日のみ)
第20回2017年6月24日/第21回7月28日/第22回9月2日/第23回10月15日/第24回12月9日/第25回2018年1月20日/第26回2月17日/第27回3月17日
(おわり)