クラウドファンディングへのQ&A ~“反戦の国際的ネットワーク”づくりをめざして
クラウドファンディングへのQ&A
“反戦の国際的ネットワーク”づくりをめざして
私たち10・8山﨑博昭プロジェクトは、ベトナム・ホーチミン市で開催予定の「ベトナム反戦闘争とその時代」展の実現のために、この度、初めての試みとしてクラウドファンディングを始めました。
https://readyfor.jp/projects/AntiVietnamWarMovement
このクラウドファンディングについてQ&Aを掲載します。
Q 「日本でのイベントならばよく理解できますが、なぜベトナムで、なのでしょうか? ベトナム人または旅行者が見て、何が生まれるのでしょうか?」(アメリカ在住の「10・8山﨑博昭プロジェクト」賛同人)
A なぜ、ホーチミン市の「戦争証跡博物館」で、日本の1960年代から1975年までのベトナム反戦闘争の展示会を開催するのか、その意義は何か、ということについて、お答えします。
まず第1に、アメリカによるベトナム戦争について、重大な長期にわたる世界史的出来事でありながら、現在のベトナムの若者たちがその歴史を知らない、ということがあります。
自国のかつての解放闘争の歴史を知らないばかりか、当時の世界各地でのベトナム反戦闘争も知りません。そのことは、日本の現在の若者においても同様です。
2015年夏、わたしたちはホーチミン市の「戦争証跡博物館」を訪ねました。
その時、館長から、日本での反戦闘争の歴史を総括した展示会を開催して欲しいと依頼されました。1960年代・70年代のベトナム戦争当時、日本の若者たちが過激に闘った反戦闘争の現実を、現在のベトナムの若者たちに知らせて欲しい、というのが館長の趣旨でした。
そして、当時の日本の若者たち(私たちのことです)と、現在のベトナムの若者たちとで、討論する機会を作って欲しい、とも依頼されました。
2017年1月から3月まで「戦争証跡博物館」で、わたしたちの展示会を開催します。それが終わった後、ベトナム全国の大学で巡回展をすることになっています。
それがベトナム側から、わたしたちへの要望でした。
そして第二に、これまで「戦争証跡博物館」で紹介されていた日本のベトナム反戦闘争の歴史は、日本共産党とベ平連の資料だけでした。
当時のいわゆる三派全学連の学生運動や反戦青年委員会、労働者、市民のラディカルな運動は紹介されていません。
もちろん、1967年10月8日の第一次羽田闘争のことを、館長自身もまったく知らなかったのです。わたしたちが持参した写真など資料を見せたとき、「こんな激しい反戦闘争が日本であったとは!」と驚かれ、感動されたのです。
また、沖縄での島ぐるみの営々たる反戦・反基地の運動や各地の在日米軍基地での反戦闘争も、ベトナムの人々には、これまで何も知らされていません。
これらのことは、日本でベトナム反戦闘争を闘った、わたしたちの責任でもあります。
「10・8山﨑博昭プロジェクト」は、このことに、できうるかぎり、全力で応じることにした、というわけです。日本でだけではなしに、ベトナムでも、同じ「ベトナム反戦闘争とその時代」展をやる、ということ。実は、ベトナム側の依頼に応じるために、その準備段階として、日本で展示会を先行して開催したとも言えます。
同じようなことは、アメリカでもあるのではないでしょうか。現在のアメリカの若者たちは、自国のベトナム戦争の歴史をどの程度知っているでしょうか。また、自国と他国の当時の反戦闘争の歴史を果たしてどこまで知っているでしょうか。
「戦争証跡博物館」を見学する旅行客で、最も多いのがアメリカ人です。しかもリピーターが多いのです。彼らにも、わたしたちの展示会を見てもらおうと思っています。
「何が生まれるか」――反戦の思想は国境を越えて共振します。そこに未来への可能性がある、と考えています。
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以上の返答に対して、質問された方から「『反戦の国際的ネットワークをつくる』というのは、大変意義深いと思います。そのためのクラウドファンディングでしたら、ぜひ協力します」という、とても嬉しいお返事をいただきました。「反戦の国際的ネットワーク」という言葉は、わたしたちの本意でもあります。この言葉をいただいて、わたしたちは強く勇気づけられました。
どうか、本クラウドファンディングへのご支援、ご協力を、よろしくお願いいたします。
(文責・「10・8山﨑博昭プロジェクト」発起人/佐々木幹郎)