仲野徹氏が『きみが死んだあとで』を書評(読売新聞)
仲野徹氏が代島治彦著『きみが死んだあとで』を書評(読売新聞)
著者のことば───────────────────────────
本日9/5(日)読売新聞朝刊に拙著『きみが死んだあとで』の書評が載った。評者は仲野徹さん(生命科学者・大阪大学教授)。
「まったく私事だが、同じ高校(大阪府立大手前高校)の8年後輩にあたる」「そんな私的なことで書評を書くべきではない、取り上げることはないだろうと思いながら持ち帰った」仲野さんは、この本を読み進めるうちに「考え直して書評を書くことにした」と明かす(この裏話に驚く)。
「この本には、若さにまとわりついた普遍的な問題が数多く込められている」と受け止めつつ、「半世紀という時の流れは単に長いだけではない。どこかで何かが完全に断絶してしまっているのではないか」と結ぶ(この結語は重い)。
人間は生まれ変わることはない。人生はいつか終焉を迎える。
年老いた(ぼく自身も含めた)元若者たちには、自分たちが体験した〈断絶の彼岸〉にある「若さにまとわりついた普遍的な問題」を〈断絶の此岸〉に、文字通り〈いのちがけ〉で渡す人生最後のミッション(使命)が課せられているのではないか。
死ぬまで〈いのちがけ〉で悪あがきしたいと改めて思う。仲野さんの書評をひとつの励みとして。
2021年9月5日
代島治彦